1980年代から1990年代に設置されたトイレの大1回の洗浄水は13リットル使っていました。現在は最も少ないもので3.8リットルで処理できるトイレが発売されています。およそ6リットル以下で処理されるトイレが「節水型トイレ」と呼ばれているようですが、いまなぜ節水型トイレが注目されるのでしょうか?
それは、単に生活水の使用量が少なくて済むということだけではありません。生活水を供給する施設とか、汚水を処理する施設の使用電力量も減ることでCO2削減にもつながっているからです。
少し古いデータですが、生活の場で使用される水の実態調査を行ったデータがあります。「一般家庭水使用目的別実態調査」による「用途別水道使用割合(%)」は次の表のようになっています。
平成9年 | 平成10年 | 増減 | |
---|---|---|---|
風呂 | 26% | 24% | -2 |
トイレ | 24% | 28% | +4 |
洗濯 | 20% | 17% | -3 |
洗面・その他 | 8% | 8% | 0 |
炊事 | 22% | 23% | +1 |
東京都水道局 平成18年度一般家庭水使用目的別実態調査より引用
(注目)
トイレ以外が前回調査(平成9年)とほぼ同じか減少しているのに対し、トイレだけが少し増えています。この傾向はここ数年あまり変化はないそうで、おおむねこのような割合で推移しているものと思われます。
生活水がどのように使われているか調べた結果があります。東京都水道局のWebサイトから引用したデータです。
世帯人員 | 使用水量 | 世帯人員 | 使用水量 |
---|---|---|---|
1人 | 7.7m3 | 4人 | 25.1m3 |
2人 | 16.0m3 | 5人 | 29.7m3 |
3人 | 21.2m3 | 6人以上 | 35.0m3 |
東京都水道局平成21年度生活用水等実態調査より引用
地域によって違いがあると思いますが、豊中市上下水道局(大阪)が公表しているデータによると、1立方メートルの水道水を作るのにかかる費用(給水原価というそうです)は、およそ188円(平成17年度)なそうです。4人世帯の場合、1か月あたりの平均使用水量が25.1m3ですので、およそ4,718円となります。地元花巻市の場合は、単価約194円くらい。4人世帯ではおよそ4,870円となります。
用途 | 使い方 | 使用量 | CO2排出量 |
---|---|---|---|
洗面・手洗い | 1分間流しっぱなしの場合 | 約12リットル | 約2.4g |
歯磨き | 30秒間流しっぱなしの場合 | 約6リットル | 約1.2g |
食器洗い | 5分間流しっぱなしの場合 | 約60リットル | 約12g |
洗車 | 流しっぱなしの場合 | 約90リットル | 約18g |
シャワー | 3分間流しっぱなしの場合 | 約36リットル | 約7.2g |
東京都水道局平成21年度生活用水等実態調査より引用
「CO2削減」ということばをよく耳にします。日常のくらしの中でさまざまな形で、たとえばごみ減量などでCO2削減に取り組んでいることはどなたも同じです。
生活水は、自然界の水を私たちが安心して飲めるように浄化したり殺菌したりして供給されています。また、私たちの使った水は下水に排水され、下水場で処理され元のきれいな水に戻して河川に放流されます。
この一連の過程では電気が使われます。節水はとりもなおさず節電にもつながっていることになりますし、CO2の削減にも貢献していることになります。
節水トイレは、生活水の節約はもちろん、CO2の排出削減にも寄与することになりますから、エコな暮らしには欠かせない商品といえます。また、現在販売されている最新のトイレは、お掃除がかんたんというか楽に行えるよう工夫が凝らされています。このあたりも利用者にとっては見逃せない点ではないでしょうか。
ここではTOTOの節水トイレ「ネオレスト」と、LIXIL(旧INAX)の「サティス」を、そしてPanasonicの「アラウーノ」の特長などを紹介します。
・ネオレストRH0 税込\295,050
・レストルームドレッサーセレクトシリーズ Lサイズ丸形(ハンドル式水栓)ミニカウンタータイプ 税込\153,195
・紙巻器
・インテリア・バー(コンテンポラリタイプ) 税込\26,460
・バックパネル 税込\5,250
合計金額 税込\493,185
○サティスGタイプ \371,000
○コーナー手洗いキャビネット \116,000
○コーナーミラーキャビネット \56,200
○紙巻器 \8,800
○タオルリング \7,700
合計 \559,700(税込\587,685)
○タンクレス便器(アラウーノ標準タイプ)\315,000円
○トイレ手洗い・収納 \73,500円
○アラウーノ専用手洗いユニット配管 \4,200円
○アクセサリー(タオルリング) \7,350円
セット希望小売価格 \400,050円(税込)
日本ではトイレの洗浄水量に規制はありませんが、諸外国では規制されているところが多く見受けられます。一例を上げますと、アメリカ6.0L(カリフォルニア州が2011年から4.8L)、カナダ6.0L、欧州6.0L、メキシコ6.0L、ブラジル6.0L、オーストラリア6.0L、サウジアラビア6.0L、中国9.0Lなど。(TOTOのWebサイト「超節水便器 GREENMAX」ページより引用)このような規制の背景にあるのは水不足という環境問題があるからとか。
いまのところ日本ではこのような規制はありませんが、ないからといって貴重な水資源を粗末にすることも問題。節水型トイレを使用することで、水の節約はもちろん、CO2排出削減にも貢献できるわけですから、たかがトイレ・・・などと思わず検討してみてはいかがでしょうか。
ここに掲載した情報は、2013年6月時点の情報に基づいて記載しています。価格とかWebページアドレスは変更になったり消えたりすることが考えられます。詳しくはメーカーのWebサイトでご確認くださるようお願いいたします。